更新日:2015年7月2日
日本神経回路学会

時 限 研 究 会


2015年度 時限研究会 採択結果

2015年度は下記の研究会を時限研究会として採択しました。

眼球運動を制御する小脳中枢機構の理解へのデータ駆動型アプローチ

開催期間:2015年8月1日
開催場所:電気通信大学 東3号館 3階 マルチメディアホール (東京都調布市)

<研究会の趣旨と内容>

小脳の研究は伝統的に、1970年前後に提唱されたMarr-Albus-Ito理論を道標として、理論が先にあり実験がそれを追試するという仮説主導型で進められてきた。一方近年の脳研究、特にHuman Brain Projectや革新脳等の巨大プロジェクトでは、膨大な実験データを逐一コンピュータ上に取り込み、大規模な解析や数値計算を行って何が見つかるかを検討するデータ駆動型にシフトしつつある。このような状況で、データ駆動型の小脳研究とはどうあるべきか、また仮説駆動型研究とデータ駆動型研究をどのように融合することが可能かについて議論・検討するのが本研究会の趣旨である。

本研究会は特に眼球運動に関わる小脳中枢機構をテーマとする。眼球運動は定量性・客観性に優れ、また感覚入力・運動出力と脳内関連領域の神経活動との強固な相関があることから神経科学の様々な分野で用いられている。視覚入力のみならず、前庭入力、体性感覚あるいは脳の中の病変、そして情動や思考といった高次脳機能など、様々な要因がその運動に影響を与える。報酬系・情動・社会性などの高次脳機能研究においても、眼球運動を指標とする大きなアドバンテージがある。さらに、数少ない実用性の高い数理モデル構築が可能となる。これらのことは眼球運動の研究が小脳に関する膨大なデータを提供していることを意味し、データ駆動型研究を議論するうえで最も適切なテーマであると考える。また、このようにテーマを限定することにより、議論の発散を防ぎ、より問題にフォーカスするという意図もある。

本研究会は、海外からの招待講演者二名を含む最低五名の研究発表とフリーディスカッションで構成される。参加の内諾を得ている海外からの講演者は以下の2名である。
  • Tatyana Yakusheva (Washington University, Department of Otolaryngology)
  • Yoshiko Kojima (University of Washington, Washington National Primate Research Center, Department of Physiology and Biophysics)
Yakusheva博士は眼球運動における小脳の役割について霊長類を用いた電気生理の研究を行っており、特に前庭入力における抑制系の役割について、膨大なデータから非常に重要な知見を継続的に発表している。本研究会ではこのようなビッグデータから何が読み取れるのかを講演される。小島博士は眼球運動の中でも特に衝動性眼球運動の適応学習を評価系に用いた電気生理学的アプローチが専門で、小脳学習に不可欠な誤差信号の非常に精密な解釈について講演される。

上記二名の招待講演者は米国NIHのR01グラントに最近採択された気鋭の女性研究者であり、日本と米国の事情の違いや女性の視点による研究のあり方等についても議論が及ぶことが期待できる。その他、三十台後半〜四十台前半の、現在まさに小脳研究の第一線で活躍している国内の若手研究者の講演を予定しており、今後の小脳研究のあり方を含め活発な議論を行なう。また、本研究会ではパネルディスカッション形式の質疑応答セッション及びポスターセッションに多くの時間を費やすことで、膨大なデータの解析に悩む大学院生及びポスドクと積極的な討論を行ない、データ駆動型の神経研究について理解を深めたいと考えている。

本研究会は都内近郊で一日開催を予定している。場所は申請者が所属している電気通信大学を一つの案として予定している。都内近郊には多くの大学と理研脳センターをはじめ小脳研究で著名な研究所が複数存在するため、多数の参加者が見込まれる。

本研究会は海外からの講演者二名の招聘に多額の費用がかかる。本研究会の開催を補助していただければ幸いである。


世話人:山崎 匡先生(東京電気通信大学)、加藤 明先生(東海大学)


2015年度 時限研究会 公募


2015年度の日本神経回路学会時限研究会を下記の通り募集します.
将来の研究の進展を先取りする,新たな発想に基づいたチャレンジングな研究会を是非ご提案下さい.

皆様からの積極的なご応募をお待ちしております.


  • 対   象  2015年2月〜12月までに実施する研究会1件

  • 金   額  30万円以内

  • 応募締切 2014年12月15日(月)

  • 応募先   下記計画提案書に必要事項を記入の上、e-mailにて
            まで送付してください。

            計画提案書、実施報告書など必要な書類は、 内容が同じであれば、
            Texなどで自作していただいても構いません。

  • 問合先   
           
応募要領
PDF▼
計画提案書
Word▼PDF▼
実施報告書
Word▼PDF▼
決算報告書
Excel▼


日本神経回路学会では、毎年、時限研究会を公募しています。
優秀な研究会には資金の支援をしています。

最近の支援結果

2014年度の採択結果 1件
2013年度の採択結果 1件
2012年度の採択結果 1件
2011年度の採択結果 1件
2010年度の採択結果 1件
2009年度の採択結果 3件
2008年度の採択結果 2件
2007年度の採択結果 4件
2006年度の採択結果 3件



日本神経回路学会企画理事 戦略的企画担当
柴田克成(大分大学)、中原裕之(理化学研究所)

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