細胞の選択特性と分散表現 実習補足資料 阪口豊・樺島祥介 1.blind source separationから特徴抽出細胞自己形成モデルへ  セミナー会場での実習時間には限りがあるので,ICA アルゴリズムを用いた blind separationの実例を紹介することに重点をおくが,これを土台として特 徴抽出細胞の自己形成のシミュレーションへと発展させることを各自の課題と する.  Bell and Sejnowskiの特徴抽出細胞のモデルは,ICAをベースにしているの で,blind source separationのプログラムを発展させることで試すことがで きる.ここで,両者の違いについてまとめておく.  Blind source separationでは,それぞれ独立した信号(画像)の線形和 (混合画像)を観測し,それをもとの信号(画像)に分解することが目的であっ た.特徴抽出のモデルにおいて,独立した信号に相当するのは「特徴」である. すなわち,いろいろな方位やスケールをもった特徴はそれぞれ独立な信号とし て捉えるという視点が,特徴抽出と独立成分解析をつなぐ基本的考え方である.  実際の画像はいろいろな特徴が足し合わさったものであると考えられるので, 実画像は,特徴を混合したものであると捉えられる.そこで,実画像のsource separationを行なうことで「特徴量」が得られることになる.  これを実際に行なうには,まず,実画像を「特徴」とほぼ同じ程度のサイズ の領域を切り出す作業を行なう.これは,一つの細胞に与えられる刺激の大き さに相当するといってよいだろう.  次に,自然界に存在する多数の刺激を模擬するために,小さな画像のサンプ ルを多数用意する.これは,一つの大きな画像からいろいろな部分を切り出し てもよいし,多数の画像をもとに生成してもよい.  これらのサンプル画像は,それぞれ何らかの基本的特徴の荷重和として実現 されているはずであり,したがって,基本的特徴を独立成分とみなせば,サン プル画像はblind source separationにおける混合画像に相当する.ただし, blind source separationの例題では,高々5枚程度の独立画像を混合した画像 しか扱わないのに対し,特徴抽出細胞のモデルでは,数十個から数百個の特徴 量(方位やスケール,空間周波数の広がりを考えるとその程度の数になってし まうのは必然的である)を考えるために,その数に等しいサンプル画像を用意 する必要がある.  ここまでできてしまえば,あとは,blind source separationと同じである. 適切な関数を呼び出して分離画像を取り出せば,それが特徴量になっているは ずである. 2.他の特徴抽出細胞の形成モデル  サマースクールのテキストにある他の特徴抽出アルゴリズムについても,プ ログラムを組むことは可能である.以下のアルゴリズムについてそれぞれプロ グラムを作り,違いを調べてみるのはよい経験になるであろう. 1. Amari-TakeuchiによるHebb学習モデル 2. KohonenによるSOM 3. Olshausen and Fieldのモデル 4. Rao and Ballardのモデル 3.プログラムについて >>IMAGE_SEP により、2つの画像ファイル samp1, samp2が読み込まれ、ランダム画像が生 成され、それらのピクセル値のヒストグラムが表示され、さらに、それらの混 合画像が3枚合成、表示される。 Select an algorithm...1:Bell&Sejnowski, 2:Cardosso, 3:Olshausen&Field に対して、1-3の数値を入力し、アルゴリズムを選ぶ。 ただし2:は、信号処理のプロであるJ.Cardoso作のICAプログラム http://sig.enst.fr:80/~cardoso/guidesepsou.html 3:はOlshausen and Fieldをもとに急遽開発したサンプルであり、他の2つに 比べるとかなり遅いのでそのつもりで走らすこと。